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【添乗員のぼやき】お客さまからもらう拍手と笑いが生きがい?常にネタを探す添乗員

ある添乗員は言いました。

「添乗員はお客さまからの拍手と笑いが大好物」

はい、わたしが言いました。

バス車内でのご挨拶や小話をした時に拍手や笑いが起きるたびにそのツアーは成功に近づいている気がするだ。やはり「笑い」や思わず拍手をしたくなる心理状態は気持ちを前向きにしてくれるエッセンスだと思う。

それもこれも「楽しい旅の演出」のため。

添乗員は(というかわたしは)お客さまの満足度を高めるために、常に笑いのネタや拍手をしたくなる心理を探求している。

とある花火大会のツアーに添乗したときの話。その花火大会の運営係員のような方がお見えになって、花火大会の歴史や意義、花火があがるタイミングなどについてお話しをしてくださった。

お話しの冒頭、彼ががこう言いながら頭を下げた。「この度は遠路はるばる〇〇花火大会にお越しいただきありがとうございました!〇〇市長に代わりまして厚く御礼申し上げます」

ドッと起きる笑い。わたしも笑ってしまった。冒頭でがっちり心を掴まれた瞬間であった。

副市長やその市のお偉いさんならまだしも(言い方は悪いが)その辺の係員が「市長に代わりまして」なんて言うのである。そのギャップがたまらない。

これは使える
な、と思ったわたしは以降、バスツアーの最後のご挨拶で使おうと考えていた。

「この度は数ある旅行会社の中より当社〇〇社のツアーにご参加いただき誠にありがとうございました。当社代表取締役社長に代わりまして厚く御礼申し上げますと。

頭の中でしっかりシミュレーションし、いざお客さまの前に立ち、ご挨拶を始めるのだけど、緊張もありすっかり抜けてしまうのである。まだまだ慣れが必要だ。

しかしある時、だいぶ気持ちに余裕があり、お客さまも優しい方が多かったツアーでついにその時がやってきた。

今日ならいけそう!と意気込み、代表取締役社長に代わって厚く御礼を申し上げてみた。

結論、ドッカンと大きな笑いが起きたのだ。新人添乗員のわたしが社長に代わりましてなんて。「そこまで~」「大袈裟な~」といった声も聞こえてきた。

快感っ。

そこには、ニコニコとこちらを見ているお客さまの姿。わたしが見たかった世界が広がっていたのだ。

このトークは毎回使えるかは分からない。だからこそどんなときでも笑いに対してのアンテナを張る、引き出しを多く準備するために常にネタを探す。

わたしって添乗員の鏡だな。